また、帰ってきたくなるホテル。川崎「縁道」宿泊レビュー
JR川崎駅、2020年にオープンしたばかりのホテル「縁道」。goodroomホテルパスを利用して長期滞在してみたら、どんな生活になるのか。ホテル内の様子や、周辺環境などを取材しました。…
日本橋馬喰町にあるライフスタイルホテル「DDD HOTEL」。goodroomホテルパスを利用して長期滞在してみたら、どんな生活になるのか。ホテル内の様子や、周辺環境などを取材しました。
text : ASAKO SAKURAI
自分にとって、本当に必要なものって何だろう。
そんなことを考えさせられるきっかけとなるホテルに出会いました。
ホテルの名は「DDD HOTEL(以下DDDホテル)」。シックなレンガ造りの建物、空間を広く使ったラウンジスペース、そして上質なアメニティが豊富に取りそろえられた、シンプルな内装の部屋。
今回DDDホテルが、goodroomのサブスくらしに新たに加わったということで、1泊のお試し宿泊をさせていただくことになりました。
騒がしくなく、落ち着いた雰囲気のホテル内は、長期で滞在していても心地よく過ごすことができそう。そんな気持ちで受付を済ませ、さっそく支配人の草野謙尚さんにお話を伺いました。
DDDホテルがあるのは、中央区の日本橋馬喰町。徒歩10分圏内に、JR総武本線「馬喰町」駅やJR総武・中央緩行線「浅草橋」駅、そして都営浅草線の「浅草橋」駅、「東日本橋」駅、「馬喰横山」駅があり、とてもアクセスの良い立地にあります。成田空港や羽田空港、東京ディズニーランドなどへも行きやすいため、新型コロナウィルス拡大前には、多くの観光客で賑わっていたのだそう。
現在は日本人のカップルや、20代~30代の女性に多く利用されています。なかなか遠出ができない分、気分転換で利用する方も増えているのだとか。
ホテルの受付は建物の2階にあります。エレベーターを降りてすぐに目に入る、大きな窓からは柔らかな光が差し込み、「今日からここで何かが変わるのかも」、そんな気分にさせてくれます。
右手には受付と、カフェ「abno」があります。席数もとても多く、様々なタイプの座席が用意されているため、友達と談笑したいときは照明が少し暗めのソファ席、仕事に専念したい時は広々と奥行きのある窓際の席など、利用シーンに合わせてくつろぐことができそうです。
草野さん「DDDホテルでは、”クリエイターに活躍の場を提供したい”という想いを大切にしています。例えば1階のレストランのシェフやアートギャラリーの作家、abnoのバリスタもそうです。
そうした新しい価値観と、上質なものに触れる機会を提供することで、宿泊者の方々にも良いものを選ぶ面白さを感じていただければうれしいです」
続いてはホテルの室内へ。廊下にはDDDホテルのキーカラーでもある、深いモスグリーンの色合いが使われています。ラウンジスペースで仕事をした後に、客室へと向かう。この間にどんどんとリラックスできるよう、考えて造られた設計なのだそう。
今回宿泊させていただいたのは、goodroomサブスくらしの中でも一番お手頃に利用できる、ミニマルダブルのお部屋。14㎡ほどのコンパクトな室内には、ダブルサイズのベッド、収納スペース、冷蔵庫が備わっています。
シャワールームとトイレ、洗面台は個室ごとに備え付けなのも長期滞在ではうれしいポイント。
そして驚いたことが一つ。実はDDDホテルには客室にテレビがついていないんです。
草野さん「お客様に一番驚かれるのは、テレビがないことかもしれません。でもこのホテルでは、極力余計なものをそぎ落として、厳選したクオリティのものだけを提供したいと考えています。
その上で『自分にとって生活に必要な、こだわりってなんなのか』ということを考え、何か気づきを得るきっかけになればいいな、思うんです」
草野さんが「上質なもの」とおっしゃるアイテムはどんなものなのでしょう。一つ一つ見ていくことにしましょう。
シーツは100%綿素材のもので、こちらもすべてオリジナルで製作。デュベ(布団)や枕は京都にある老舗企業「大東寝具」と共同で開発したもの。枕は硬さの異なる2種類が用意されています。
一晩泊まっただけですっかり魅了されてしまったのは、ルームウェアとドライヤー、そしてシャンプーなどのアメニティです。
ここまでご紹介してきた通り、DDDホテルの客室にあるもの全てには、一流のブランドが作ったこだわりのアイテムばかりが揃っています。「上質なものを使用して体感してみてほしい。これは必要だと感じたら、ぜひご自身の生活にも取り入れて、より豊かな生活を送れるようになればうれしい」という草野さんたちホテルスタッフの想いが伝わってきます。
そして長期滞在するうえで気になるのが、荷物を置くスペース。こちらのタイプのお部屋では、横幅50センチほどのハンガーラックと、ベッドの足元、出入口付近に荷物が置けそうなスペースがありました。
その後しばしホテル周辺を探索してみることに。このあたりは問屋街で賑わった街だということもあり、幹線道路沿いや路地裏に、老舗の卸問屋企業から、ITベンチャーまで、多くの企業が集まっています。それでいて騒がしさを感じることはなく、下町の落ち着いた雰囲気の残る街並みです。
ホテル近くは神田川と隅田川が流れています。隅田川は遊歩道もあるので、ランニングや散歩をしながら雄大な景色を楽しむ人が多くいました。川の近くにある街で暮らす、ということをちょっとだけ堪能することができたような気がします。
ミニマルダブルのお部屋にはデスクがないので、「リビングと寝室を分けて、ホテル全体を家のように捉えて生活してほしい」と話す草野さん。たしかに夜は昼間とまた違った印象で、落ち着いた雰囲気の音楽と、静かな環境でリラックスできます。
部屋の中ではだらけてしまう、という方もまずはパソコン片手に、ここに来てみてはいかがでしょう。バリスタの方が淹れてくださった美味しいコーヒーを飲むだけで、体がシャキッと目覚めますよ。
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今回一泊の取材を終えて。「自分にとって本当に必要なもの、大切なものってなんだろう」と改めてゆっくり考えながら過ごしました。
上質なものに触れることで気が付いた、モノに対する「使い心地の良さ」という視点。使い勝手が悪くても、「まあいいや」とおざなりにしていたことを見直すきっかけにもなりました。そして機能性は高くても、値段を考えて先送りにしていたものも、こんなにも気持ちよく使えるのであれば、長い目でみて悪い買い物にはならないはずだ、と実際に使用することで確信することもできたような気がします。
そして「テレビ」の圧倒的な存在感。普段はあっという間に時間が過ぎて「もう寝る時間!」と時間に追われる生活をしているのに、DDDホテルではシャワーを浴びて寝る準備をしても、まだ21時くらい。こんなにもテレビから影響を受けていたのかと感じました。
空いた時間は読書をしたり、音楽を聴いたり。窓から外をぼんやり眺めながら、ゆっくりと時間を過ごすことができました。無駄なことをせずにすぐにベッドに入ったことで、いつもより早起きができたことも、新たな発見です。
一度、自分という名の風呂敷の中にあった荷物をすべて取り出して、本当に必要なものや大切にしたい価値観だけを、改めて包み直していくような感覚。ここで得た気づきは、今後の私の暮らしをより一層豊かなものにしてくれそうです。
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櫻井朝子
三宅朝子
goodroom journal 編集部所属。ライター、バーのママなど、いろんなことをしています。行ったことのない街に降り立つととにかく興奮する、街歩き大好き人間。最近リノベマンションに引っ越したばかりなので、街だけでなく、室内の住環境を整えていくことにも興味津々。部屋中無印。